大政奉還150周年記念展
新発見!《戊辰之役之図》
鳥羽伏見の戦い勃発の夕、京都御所では何が起きていたのか
〘150年目の証言〙併催「明治美術拾遺選Ⅱ」
2017年9月30日(土)〜10月29日(土)

展覧会趣旨


画廊展示風景

大政奉還(慶応3年=1867)という王制復古後の徳川家安泰を狙った十五代将軍慶喜の目論みは、翌年1月3日に勃発した鳥羽伏見の戦いにより急変する。同日夕、下鳥羽村での薩長中心の新政府軍の緒戦勝利の急報に、日和見の公家たちは急に態度を変えて官軍にへつらい参内し始めた。御所の公家門(宜秋門)前には警護の宇和島藩の砲兵隊らが陣取っている。火事装束の武士たちや白熊(はぐま)を被った本願寺の僧たちの集団が龕灯(がんとう)を照らして周辺を警護し、伝令の早馬が駆けつけるなど、御所は喧噪のまっただ中にあった。

当時京都の四条派の絵師・長谷川玉峰の元に画家修業に来ていた宇和島藩の若者がいた。小波魚青(本名盛春)である。彼は父が藩の砲術の指南役だった関係からか、戊辰戦争勃発の日の夕刻、京都御所の公家門(宜秋門)の警備を担った宇和島藩士の中にいたのだろう。

政情が安定した23年後の第3回内国勧業博覧会で本作を発表して褒状を得た。戊辰戦争勃発当日夜の京都御所の喧噪を克明に記録した希有な証言として、大政奉還150周年記念に相応しい展観である。他に,西郷隆盛像、橋本左内ら維新動乱期の人物像をはじめ、五姓田芳柳とその一派、関西の初期洋画家たちによる肖像画の名作を中心に、明治期に描かれた珍しい絵画作品が並ぶ。

展示作品(一部抜粋)


小波魚青「戊辰之役之図」
1890(明治23)年 第3回内国勧業博覧会 褒状
81.4 × 143.2 cm 絹本彩色
伊藤快彦「西郷隆盛像」
明治後期頃 絹本彩色(軸装)
小林清親「橋本左内像」
明治前期頃

二世五姓田芳柳「農村のまひる」
明治前期頃 絹本彩色

展覧会図録

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大政奉還150周年記念展
新発見!《戊辰之役之図》
鳥羽伏見の戦い勃発の夕、京都御所では何が起きていたのか
〘150年目の証言〙併催「明治美術拾遺選Ⅱ」

 
B5判
1,500円(送料共)

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