「小川千甕 ― 縦横無尽に生きる」展が京都文化博物館で2016年1月31日まで開催されました。これまで脚光を浴びる機会に恵まれなかった異色の日本画家の大規模な回顧展。福島県立美術館と東京の泉屋博古館での巡回展示を終えてようやく故郷への凱旋展として戻ってきました。同展には星野画廊コレクションから6点の作品と資料の出品協力をしています。
当画廊のコレクションには、小川千甕が師事した浅井忠の同門下で、陶芸家に転じた新井謹也旧蔵の9点を含め、約30点の小川千甕作品があります。この機会に忘れられた画家シリーズ36として小川千甕遺作展を開催しました。
「蜜柑山」 1933(昭和8)年頃 紙本/軸装・共箱 |
「白衣大士」 紙本/軸装 |
「福禄寿星」 1952(昭和27)年 紙本/軸装・共箱 |
「漁翁」昭和初期頃 (新井謹也旧蔵品/絹本軸装) 紙本・軸装 |
「万葉歌画賛」 (新井謹也旧蔵品/絹本・軸装) 紙本/軸装 |
小川千甕 おがわ・せんよう/ちかめ
1882(明治15)年 | 京都市に生まれる。本名多三郎。 生家は老舗の書肆で、若くして教養を身につける。 |
1897(明治30)年 | 仏画師北村敬重の徒弟となる傍ら、関西美術院で浅井忠に洋画を学ぶ。 |
1910(明治43)年 | 上京し、挿絵画家の道を進み、『ホトギス』の挿絵も描く。 |
1913(大正2)年 | 渡欧する。 |
1914(大正3)年 | 帰国する。第1回二科展に入選する。 |
1915(大正4)年 | 平福百穂、小川芋銭らと「珊瑚会」を結成し、次第に南画家への道を辿る。 |
1921(大正10)年 | 再興第8回院展に入選する。 日本南画院展に出品する。 |
1942(昭和17)年 戦後 | 大東南宗院委員となる。 主に個展を中心に作品を発表する。 |
1971(昭和46)年 | 没。享年88。 詩歌や書にも優れ、島木赤彦に学んで『アララギ』に短歌を寄せた。 |
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