星野画廊で開催した主な展覧会─83

クレーですか? ミロですか? いいえ ジュヘイです!

心象の吟遊詩人要 樹平 遺作展

忘れられた画家シリーズ33
記念図録:B5版46頁  頒価:1000円
と き  3月22日(火)〜4月10日(日)           
   ところ 星 野 画 廊 10:30AM〜6:00PM(毎月曜・第1日曜休廊)
京都市東山区神宮道三条上る TEL.075-771-3670
  

要樹平―空気を描いて空(くう)を見て・・・・・星野万美子
 

(上)「緑のひげ」 1953(昭和28)年 50.8 ×71.0 cm 軸装

(左) 「緑雨」 1945-47(昭和20-22)年頃
     138.0 × 33.7 cm 軸装
(下)「女」〜文字“夢による〜 1970(昭和55)年
   58.0 × 69.1 cm 額装
(右) 「軽燕受風斜」 1971-85(昭和46-60)年頃
     135.4 × 34.3 cm 軸装

 

 要樹平は明治39年(1906)に大阪船場に生まれました。長兄が竹圃、次兄が硯山と号する南画家、水田家の八男です。1924(大正13)年に親戚の要家の養子となりました。同年に京都市立美術工芸学校の卒業制作<兵営附近>が第4回国展に入選し脚光を浴びました。昭和2年に京都市立絵画専門学校を卒業。在学中を含めて帝展に6回、国画創作協会展に2回入選しています。11年に土田麦僊門下の同志と「柏舟社」を結成しグループ展を東京、名古屋、大阪、京都で開催しました。戦後は画壇から離れて個展活動に入り、孤高の道を歩んだ画家です。
本格的な日本画を習熟した後、戦前は明末清初の中国画家八大山人や近代にかけた活躍した呉昌碩らの文人画に惹かれて清明な作品を描きました。戦後はカンデインスキーのモダン性をベースに、クレーやミロを想起させるユーモラスな風刺精神に裏打ちされた独自の画風を展開しました。水墨による抽象世界や書、篆刻にも領域を広げ、熱烈なフアンを魅了、平成6年(1994)に87歳の生涯を閉じました。
本展は、1986(昭和61)年に京都国立近代美術館新館開館を記念して当画廊で開催した「京の異色日本画家シリーズ」の最終章で特集陳列して以来、実に25年振りの展観となります。東洋的な高い精神性に裏打ちされながら何ものにもこだわらない、クレーやミロでもない独自で自由な発想による樹平絵画の神髄を、軸装や額装の絵画、書など約60点により回顧するものです。是非、ご高覧ください。

後 記・・・・・・・・・・・・・・・星野桂三

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