星野画廊で開催した主な展覧会─67

夭折した幻の大正美人画家
没後78年  増 原 宗 一 遺 作 展

忘れられた画家シリーズー30

2006(平成18)年7月 8日(土)〜7月 30日(日)


展覧会開催の趣旨             星野 桂三

 1928(昭和3)年12月、東京上野の凌雲院に於いて、日本画家増原宗一の遺作展が開かれた。同寺は戦災に遭い過去帳など全ての記録が焼失した。師である鏑木清方が『続こしかたの記』の中で「増原は谷崎潤一郎の『人魚の嘆き』や歌舞伎十八番『けぬき』に登場する錦の前などを彷佛とさせる怪奇な作風を好んだ」と書き残している。資料はそれだけである。画家の実像はおろか経歴の片鱗さえ見えない。ところが幸運にも数年前、1921(大正10)年10月に刊行された『宗一画集』を古書店目録で発見し入手した。35点の図版が掲載されている。なるほど異色の画風であることが分かった。こうした作品群が世に出てくれば幻の画業の見直しが一挙に進むことだろう。本展は当画廊がこの20年間に収集した作品14点によるささやかな遺作展だが、夭折した天才画家再発見の端緒となることを信じている。記念図録には、現存する作品と『宗一画集』に掲載されている作品を全て掲載している。

増原宗一について       菊屋 吉生(山口大学教授)


増原宗一の怪異とロマン            星野 万美子


夭折した幻の大正美人画家
没後78年  増 原 宗 一 遺 作 展


no. 作 品 名 制 作 年 サイズ cm 素材・技法

 「夏の宵」(二曲屏風) 

 1926(大正15)年 169.0×166.2p 紙本彩色
 「夏の宵」(部分)  1926(大正15)年 169.0×166.2p 紙本彩色
 「夏の宵」(部分)  1926(大正15)年 169.0×166.2p 紙本彩色
 「夏の宵」(部分)

 1926(大正15)年

169.0×166.2p 紙本彩色
 「春 宵」  大正後期頃 50.2×41.7p 絹本彩色
 「舞 妓」(自描紙表装)  大正中期頃 141.5×50.3p 絹本彩色
 「舞 妓」(部分)  大正中期頃 141.5×50.3p 絹本彩色
 「藤 娘」  大正後期頃 26.7×24.2p

絹本彩色(共箱)

 「手 鏡」  大正後期頃 50.5×49.3p 絹本彩色
 「五月雨」  大正後期頃 128.1×41.1p  絹本彩色
 「五月雨」(部分)  大正後期頃 128.1×41.1p 絹本彩色
 「七 夕」    大正後期頃 130.8×41.0p 絹本彩色
 「七 夕」(部分)  大正後期頃

130.8×41.0p

絹本彩色

 「夕 涼」  大正後期頃 129.3×41.0p 絹本彩色
 「夕 涼」(部分)  大正後期頃 129.3×41.0p 絹本彩色
 「浴 後」  大正後期頃 128.2×41.1p 絹本彩色
 「浴 後」(部分)  大正後期頃 128.2×41.1p 絹本彩色
10  「月の三室戸」  大正後期頃 129.8×41.1p 絹本彩色
10  「月の三室戸」(部分)  大正後期頃 129.8×41.1p 絹本彩色
11  「両国のほとり」  大正後期頃 128.6×41.1p 絹本彩色
11  「両国のほとり」(部分)  大正後期頃 128.6×41.1p 絹本彩色
12  「秋 桜」  大正後期頃 131.0×41.2p 絹本彩色
12  「秋 桜」(部分)  大正後期頃

131.0×41.2p

絹本彩色

13

 「落 葉」  大正後期頃 129.1×41.0p 絹本彩色
13  「落 葉」(部分)  大正後期頃 129.1×41.0p 絹本彩色
14  「鷺 娘」  大正後期頃 128.7×41.0p 絹本彩色
14  「鷺 娘」(部分)  大正後期頃 128.7×41.0p 絹本彩色

その他、記念図録には1921年(大正10)年10月に刊行された増原宗一の唯一の画集
「増原宗一画集」より35点の作品を全て掲載している。

【展覧会図録】 増 原 宗 一 遺 作 展
B5版:64頁 図録頒布価格 2,000円

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